中医学科

五先年の中国伝統医学の知識で21世紀に求められる真の医療者を育成します。

中医学科とは、漢方薬を用いた治療法を、その基礎的理論から診断学・薬学・方剤学、そして実際の内科・婦人科・小児科等における各病態に応じた処方学までを系統的に学ぶ学科です。

中薬(生薬)には、それぞれに持つ薬性(四気・五味・昇降浮沈・補瀉・帰経・有毒無毒)があり、その薬性に基づいて数種の生薬を組み合わせた方剤が構成されています。

日本でも「薬局製剤」として、200種類を超える方剤の使用が認められているのですが、医学部や薬学部での教育には、これら漢方薬の方剤の運用に関する専門的な教育が行われていないため、これら200種類を超える方剤が十分に、また正しく使用されていないのが現状です。

本学科では、この天然の資源であり、有効な薬材資源である漢方薬(方剤)が、日本においても十分に、また正しく使われるようになるために、先ず第一に医師や薬剤師、また登録販売者の方々に学んでいただくことを目的としています。

受講対象者
・医師 ・歯科医師 ・薬剤師 ・栄養士 ・登録販売者 ・獣医師 ・薬膳に携われている方 ・その他
学習内容
・中国医学史 ・中医基礎理論 ・中医診断学 ・中薬学 ・方剤学 ・中医内科学・中医小児科学 ・中医婦人科学
取得可能な資格
・国際中医師ライセンス(国際中医専門員)受験資格取得


▲臨床応用講座
漢方診断に重要な脈診と舌診の実技を行います。

学習内容・学習方法・流れ

■大学専科コース(前期課程)

中医学科 1年次
(日本)
[通信学習]
・DVD教材(講義)
・印刷テキスト
・報告課題

[定期スクーリングセミナー授業]
中国医学史・中医基礎理論・中医診断学・中薬学
2年次
(日本)
中薬学・方剤学・中医内科学・中医小児科学・中医婦人科学・(※1)西洋医学基礎(解剖学・生理学)
〔(※1)西洋医学基礎について〕
・医師、薬剤師、鍼灸師など医療系有資格者は免除。
・医療系資格を取得されていない方は、後期課程に進む場合に必修となります。
・前期課程のみの受講でもご希望の場合は受講可能です。
・受講のお手続はご入学の際、又は受講中でも随時受付致します。
・学費は追加で納付手続が必要となります。

■大学専科コース(後期課程)

教材について

■テキスト

科 目 頁 数 科 目 頁 数
中国医学史 750頁 方剤学 278頁
中医基礎理論 178頁 中医内科学 354頁
中医診断学 222頁 中医小児科学 118頁
中薬学 276頁 中医婦人科学 108頁
中薬便覧 17頁(170種)

 

■DVD教材

講義教材としてDVD教材を使用します。
上海本校の各課程の最も権威のある教授陣による講義を日本語で編集しております。
テキストとDVDを併用することにより、更に理解が深まり、教室で学ぶものと同じ効果が得られます。
テキスト配布と同時にDVD教材を配布し、以後定期的に配布いたします。

科 目 内 容 巻 数 時 間
中医基礎理論 「中医基礎理論緒論・陰陽五行学説」「臓象学説」 「経絡学説・病因」「発病原理・発病機序」 4巻 480分
中医診断学 「緒論・望診・聞診」「問診・切診」「八綱弁証・気血弁証」「臓腑弁証」「舌診」 5巻 480分
中薬学 「中薬学総論」 1巻 60分
方剤学 「方剤学総論」 1巻 120分
中医内科学 緒論・「各論1」、「各論2」、「各論3」 3巻 360分


▲DVD教材

■報告課題(全22回)

各科目2回から4回出題し、各学科2年間で22回の報告課題の提出が必要です。
出題と添削指導は専任教官により、日本語で行います。充実した内容で、これを解答していくことと、学習した内容の復習とにより深い理解が得られます。
学習を進めていく過程で、疑問や質問等がある場合は、FAX或いはEメールで随時受け付けています。

科 目 提出回数 科目 提出回数
中国医学の歴史 2回 方剤学 2回
中医基礎理論 4回 中医内科学 3回
中医診断学 4回 中医小児科学 3回
中薬学 2回 中医婦人科学 2回

〔(※1)西洋医学基礎 (「(※1)西洋医学基礎について」参照)〕
・テキスト:解剖学・生理学各1冊
・報告課題:6回

教材配布一覧はこちら

卒業生のコメント
(皆様のお声を定期的に更新させていただいております)

中医学科卒業 渡邊 一哉
鍼灸師 国際中医師(国際中医専門員) 円山漢祥院院長


私は、中国医学の三大古典「傷寒論・金匱要略」「黄帝内経」「神農本草経」の研究をライフワークとしております。
近年、中国の高名な老中医の先生方の古典研究に関する論説に触れる機会があり、その際、その中で使われている現代の中医学用語に少なからず困惑いたしました。
そこで、現代の中医学を正確に理解しておくことは、今後のために必要不可欠であろうと考え、思い切って当校マスターコースで学ばせていただくことにしました。
マスターコースの教育カリキュラム・教材等は秀逸であり、古典研究の傍ら短期間に中医学の知識を身に付けることができ、大変感謝しています。

中医学科卒業 崎山 久美子
薬剤師 国際中医師(国際中医専門員) 花凛堂漢方薬局経営


私は薬剤師ですが、中医学を勉強したのは上海中医薬大学附属日本校が初めてでした。在学中は、内容が難解で課題を毎月提出するのが精一杯でしたが、
スタッフや講師の方々のサポートのおかげで無事卒業し、国際中医師ライセンスを取得することができました。
現在、大阪で漢方薬局を開業し毎日漢方相談を行っていますがテキストを見直すことも多く、そのたびに新しい発見があります。
中医学は終りのない学問です。その始まりが上海中医薬大学附属日本校でよかったと思っています。

中医学科卒業 高木 明子
薬剤師


私が中医の勉強を始めたのは、今から6年前です。病院薬剤師として勤めていくうちに、西洋医学の限界に出会うことも多くなり、
また病院の漢方外来で処方される漢方薬について、患者様にありきたりの説明しかできないことに情けなく思い、上海中医薬大学に入学しました。
仕事が忙しく、課題も大変でしたが、自分のペースで勉強し、試験を受けることができたので続けていけたと思います。中国への留学では、本当に良い先生に出会え、
大変勉強になりました。
また上海中医大学の日本人本科生とも交流が持て、貴重な体験となりました。
この経験をいつか生かせるよう、今後もがんばって行きたいと思います。

中医学科卒業 中野 厚
医師・国際中医師(国際中医専門員) 中野内科医院院長


ある大学の東洋医学研究所で5年ほど学んでいましたが、日本漢方では個々の症例に対して、「傷寒論」等原典に照らし、即どの方剤が適応するのか?を考えるような印象があり、
いつまでも木は診るが森が見えない感が否めないでいました。しかし、かたや中医学は、中国からの留学生との議論の中で非常に難解に思え、取つきにくい印象がありました。その後、本校の存在を知って中医を学ぶうちに、系統的に中医弁証というSystematicな診断processを習得することができ、ある程度の確信をもって方剤構築・処方選択をすることができるようになりました。古典通読はもちろん大切かもしれませんが、より効率的に早く漢方診断力をつけるには本校で勉強するのが一番!だと思います。

中医学科卒業 大串一稔
薬剤師・国際中医師(国際中医専門員)元気堂薬局代表

当薬局では、因地制宜の観点から「和漢、中医学の長所を取り入れ、日本人の体質にあった身体にやさしい漢方」が治療への早道と考えています。
更なる治療体系の確立を目的として、今まで学んできた中医学の総括と自身の弱点の発見のために上海中医薬大学附属日本校で学ばせていただきました。
優れたカリキュラムと親切なスタッフの方々のおかげで、忙しい中でも学習を続けることができました。今後も、一人でも多くの患者さんのお役に立てるよう
、研鑽を続けていきたいと思います。